2017年2月3~6日、デビスカップ(国別対抗戦)第1回戦が世界各地で開催された。
第1回戦の結果、イタリア、ベルギー、オーストラリア、アメリカ合衆国、フランス、イギリス、セルビア、スペインの8ヶ国が準々決勝(ベスト8)進出を決めた。
昨年優勝国アルゼンチン、準優勝国クロアチアともに第1回戦で敗退となった。
デビスカップは各戦3日間に渡って行われ、初日にシングルス2試合、2日目ダブルス、3日目にシングルス2試合が行われる。計5試合のうち3試合以上を獲得した国の勝利となる。
各試合は5セット・マッチだが、全5試合が行われる前に3試合を先取すると、残りの試合は消化試合として5セットではなく3セットマッチとなる。
テニスには珍しく観客席から楽器が鳴り響く、お祭りのようなムードで行われる。出場国のどちらかのホームで開催され、第1回戦も熱狂的な応援で盛り上がった。
デビスカップ(国別対抗戦)2017年第1回戦の結果は次の通りとなった。
※ ワールドグループの結果
デビスカップ(国別対抗戦)2017年第1回戦 結果
アルゼンチン vs. イタリア:4日間にわたる接戦の末イタリアが勝利
昨年優勝国のアルゼンチンは、優勝立役者であったフアン マルティン・デル ポトロを欠く試合となった。対するイタリアは、ファビオ・フォニーニ、パオロ・ロレンチ、アンドレアス・セッピを擁する強豪国。アルゼンチンのホーム、ブエノスアイレスで開催された。
初日シングルスの2試合をイタリアが勝利しリードするも、第2日目ダブルスでフルセット、最終第5セットをタイブレイクの末にアルゼンチンが勝利。第3日目シングルス1試合目もフルセット、4時間超に渡る試合の末、アルゼンチンが勝利し、準々決勝への望みをつなぐ。
雨風と日没のため第3日のシングルス2試合目は翌日に延期となり、2月6日(日本時間2月6日23時~)に再開。試合時間4時間を超えるフルセットの末、ファビオ・フォニーニ(イタリア)がギド・ペラ(アルゼンチン)を下し、イタリアが準々決勝進出を決めた。
パオロ・ロレンチ(イタリア)は続く2月6日より開催のキト「エクアドル・オープン・キト(ATP250)」、アンドレアス・セッピ(イタリア)はソフィア「ガランティ・コザ ソフィア・オープン(ATP250)」へも出場する。
ベルギー vs. ドイツ:ベルギーの勝利!ズベレフ兄弟敗退
フランクフルト、ドイツのホームで開催。ドイツは、全豪オープンで大活躍をみせた、アレクサンダー・ズべレフ、ミーシャ・ズベレフ兄弟が出場、兄弟でダブルスのタッグを組んだ。
ベルギーは、ダビド・ゴファンを欠く試合となったが、スティーブ・ダルシスが健闘。
初日シングルス第1試合でフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)にスティーブ・ダルシス(ベルギー)が勝利し、第2試合ではアルテュール・デ・グレーフ(ベルギー)にアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)が勝利。翌日のズベレフ兄弟ダブルスでドイツが敗北。
第3日目のシングルス第1試合で、アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)とスティーブ・ダルシス(ベルギー)が対戦した。
第4セットタイブレイク、アレクサンダー・ズベレフのダブルフォルトでスティーブ・ダルシスのマッチポイント(勝てばベルギーの準々決勝進出が決まる)となるも、アレクサンダー・ズベレフがセーブ。アレクサンダー・ズベレフのセットポイントまで持ち込むが、スティーブ・ダルシスが 10-8でタイブレイクを制し、ベルギーが準々決勝進出を決定した。
アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)、ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)兄弟は続くモンペリエ「南フランス・オープン(ATP250)」に、スティーブ・ダルシス(ベルギー)、フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)はソフィア「ガランティ・コザ ソフィア・オープン(ATP250)」に出場する。
チェコ vs. オーストラリア:オーストラリアの快勝
チェコ対オーストラリアは、メルボルン、オーストラリアのホームで開催された。
初日シングルスの2試合で、ジョーダン・トンプソン(オーストラリア)、ニック・キリオス(オーストラリア)がストレート勝ち。
第2日目のダブルスもオーストラリアが勝利し、準々決勝進出を確定させた。
スイス vs. アメリカ:ベストメンバーのアメリカ合衆国が強豪スイスに全勝!
ロジャー・フェデラー、スタン・ワウリンカを欠くこととなった強豪スイス。
対戦相手のアメリカ合衆国は、ジャック・ソック、ジョン・イズナー、サム・クエリー、スティーブ・ジョンソンのベストメンバー。
アメリカ合衆国のホームで、強豪スイスは5戦全敗。第1回戦で敗退となった。
日本 vs. フランス:日本敗退
有明、日本のホームで開催。日本の錦織圭は残念ながら欠場となった。
対するフランスは、ガエル・モンフィス、ジョーウィルフリード・ツォンガを欠くもリシャール・ガスケ、ジル・シモンを擁する強豪国。
日本は、初日シングルス2試合で、リシャール・ガスケ、ジル・シモンに敗北。翌日ダブルスでも敗北し、第3日目に内山が1勝を上げるも、第1回戦で敗退となった。
リシャール・ガスケ(フランス)は、2連覇中のモンペリエ「南フランス・オープン(ATP250)」に出場する。
カナダ vs. イギリス:イギリスが準々決勝進出
アンディ・マレー(イギリス)、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を欠くこととなった両国の試合は、カナダのホームで開催された。
イギリスは、ダニエル・エヴァンス、カイル・エドマンドなどが出場。カナダは4選手ともシングルスのランキングは100位以下の選手となった。
初日は1勝1敗。第2日目ダブルスでイギリスが勝利するも、第3日目シングルス第1試合はカナダが勝利。結果は最終試合に持ち越された。
最終試合、第1・2セットをカイル・エドマンド(イギリス)が獲得し、第3セットでカイル・エドマンド(イギリス)がブレイクした直後、デニス・シャポバロフ(カナダ)が観客に放ったボールが主審を直撃、カナダは失格となり、イギリスが準々決勝への進出を決めた。
ロシア vs. セルビア:ジョコビッチ苦戦も、セルビア勝利
現在世界ランキング2位のノバク・ジョコビッチ、同37位ビクトル・トロイツキを擁するセルビアは、ホームでロシアと対戦した。
初日シングルス第1試合はフルセット、最後はタイブレイクの末にビクトル・トロイツキ(セルビア)が勝利、シングルス第2試合でノバク・ジョコビッチ(セルビア)が出場。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、ダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦し、第1セットを3-6 で失う。続く第2・3セットはノバク・ジョコビッチ(セルビア)が獲得するが、第4セットでダニール・メドベデフ(ロシア)が痙攣を起こし途中棄権。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の勝利となった。
第2日目のダブルスでセルビアが勝利し、準々決勝進出を決めた。
なお、消化試合となった第5試合目のシングルスは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦で痙攣を起こしたダニール・メドベデフ(ロシア)が出場予定であったため、中止され行われなかった。
スペイン vs. クロアチア:スペインが勝利
直前にラファエル・ナダルが欠場を発表したスペインであるが、選手層は厚く、現在世界ランキング16位ロベルト・バウティスタ アグート、同26位パブロ・カレーニョ ブスタ、同32位フェリシアーノ・ロペスが出場した。
対するクロアチアもマリン・チリッチを欠く試合となった。
クロアチアのホームで開催され、初日シングルス第1試合をフルセットの末にクロアチアが獲得も、第2試合はロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)がストレート勝ち。
第2日目ダブルスでクロアチアが勝利するが、第3日目シングルス第1試合でロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)が勝利。
結果は最終試合に持ち越され、最終試合、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)が二コラ・メクチチュ(クロアチア)に勝利した。
スペインが昨年2位のクロアチアを下し、準々決勝に進出した。
ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)は、続くソフィア「ガランティ・コザ ソフィア・オープン(ATP250)」にも出場する。
デビスカップ準々決勝は、
- イタリア vs. ベルギー
- オーストラリア vs. アメリカ合衆国
- フランス vs. イギリス
- セルビア vs. スペイン
が行われる。試合は、2017年4月7日~9日を予定している。