2018年6月19日(現地時間)、遂にアンディ・マレー(イギリス)がツアーに復帰!
復帰の舞台は、母国開催の「クイーンズクラブ選手権(ATP500)」(フィーバーツリー選手権)、アンディ・マレー(イギリス)が過去5回優勝を誇る大会である。
(写真:2013年、クイーンズクラブ大会優勝時のマレー)
2018年「クイーンズクラブ選手権(ATP500)」では、アンディ・マレー(イギリス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・ワウリンカ(スイス)、マリン・チリッチ(クロアチア)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)、ダビド・ゴファン(ベルギー)、ジャック・ソック(アメリカ)、サム・クエリー(アメリカ)、ニック・キリオス(オーストラリア)、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)を始めとし、かつてない程にトップ選手が集結。
11か月振りにツアーに復帰のするアンディ・マレー(イギリス)の初戦対戦相手は、ニック・キリオス(オーストラリア)という、厳しいトーナメント表(ドロー、組み合わせ)となった。
"Coming back from injury you're always kind of second guessing yourself," says @andy_murray.https://t.co/WyFYNGW1vy pic.twitter.com/AouLlaSOnw
— #AusOpen (@AustralianOpen) 2018年6月17日
元世界ランキング1位アンディ・マレー(イギリス)は、臀部の怪我により、2017年シーズン途中でツアーを離脱。
2018年初めの復帰を試みるも断念、年初に臀部の手術を受け、その後長期リハビリを行い、2018年グラス(芝)コート・シーズンでの復帰を目指してきた。
怪我による離脱前、アンディ・マレー(イギリス)の世界ランキングは1位であったが、長期の欠場により、現在(2018年6月18日付ランキング)は世界156位にまで順位を下げた。
アンディ・マレー(イギリス)は、今大会にもトーナメント表(ドロー)発表数時間前まで出場の可否を留保しており、復帰が危ぶまれていた。
しかし、母国開催のグランドスラム「ウィンブルドン」を前に、ツアーへの復帰を決意。待ちに待った復帰戦が開催されることとなった。
そして今回、昨年7月グランドスラム「ウィンブルドン」準々決勝(2017年7月12日)以来、11か月7日振りに、公式試合に復帰する。
アンディ・マレー(イギリス)は、復帰にあたり、大会のインタビューに応え、次のように語っている。
「グランドスラムに優勝すること、世界ランキング1位になることが最も大事なことだと思っていた。でも違った。本当は、僕はテニスがしたい、試合に戻りたい、それだけだ。」
アンディ・マレー(イギリス)復帰戦の対戦相手は、才能にあふれ、グラス(芝)コートを得意とするニック・キリオス(オーストラリア)。
ニック・キリオス(オーストラリア)は、直前の大会であるシュツットガルト「メルセデス・カップ(ATP250)」でも好調なプレーを披露し、準決勝ではロジャー・フェデラー(スイス)を相手に敗戦を喫するも、23本のエースを仕留め、フルセット、そして最終セットはタイブレイクという接戦を繰り広げた。
なお、この準決勝戦は、ロジャー・フェデラー(スイス)の世界1位の座を懸けた戦いであった。
強力なサーブとスピード、多彩な技を兼ね備える23才である。
アンディ・マレー(イギリス)は、試合に先立ち、「ニック・キリオス(オーストラリア)は常に非常に厳しい対戦相手。素晴らしいサーブを持ち、明らかに卓越した才能がある。さらに、彼のプレーは予測不可能だ。前向きなこととしては、ポイントは(何度もラリーが続くような)長いポイントにならないだろう。」とコメントしている。
ただし、ニック・キリオス(オーストラリア)は、ロジャー・フェデラー(スイス)をはじめBig 4 の3選手には勝利しているが、Big 4 のうち、アンディ・マレー(イギリス)に対してのみ、勝ち星の経験がない。
アンディ・マレー(イギリス)とニック・キリオス(オーストラリア)の過去の対戦成績は、アンディ・マレー(イギリス)の5戦全勝(勝率100 %)。
直近の対戦は2016年グランドスラム「ウィンブルドン」。この試合では、アンディ・マレー(イギリス)がニック・キリオス(オーストラリア)に1つのブレイクポイントも許さずにストレートで勝利。その後、アンディ・マレー(イギリス)は大会優勝を果たした。
今回が両者6度目の対戦となる。
好調ニック・キリオス(オーストラリア)がアンディ・マレー(イギリス)から初の勝利を奪うのか。
アンディ・マレー(イギリス)の復活となるか。
両者のパフォーマンスが注目される。
なお、試合勝者は、第2回戦でライアン・ハリソン(アメリカ)またはカイル・エドマンド(イギリス)と対戦する。
カイル・エドマンド(イギリス)は、現在アンディ・マレー(イギリス)を抜き、地元イギリスNo. 1 の選手である。
「クイーンズクラブ選手権(ATP500)」(フィーバーツリー選手権)2018年第1回戦、アンディ・マレー(イギリス)vs. ニック・キリオス(オーストラリア)の試合結果詳細は、以下の通り。
Set 1
会場はスタンディング・オベーションでアンディ・マレー(イギリス)を迎える。
第1ゲーム
マレーのサーブで試合開始。マレーがフォアハンドでウィナーを決め最初のポイントを獲得。会場は拍手に包まれる。
マレーのゲームポイントで、キリオスがボレーを決める。ジュースに突入し、キリオスがドロップショットを決める。キリオスがブレイクポイントを獲得。
マレーがネット際に出てフォアハンド・ウィナーを決めセーブ。再びジュース。
マレーが強力なサーブを決め、アドバンテージを獲得。
マレー、続いてワイドへのエースを決める。
マレーがサービスゲームをキープ。
第2ゲーム
キリオス、キープ。キリオスがボレーを決める際、体をターンさせ一回転しネット際に向かい、会場からは笑いとどよめきが起こる。
第3ゲーム
マレー、キープ。
第4ゲーム
キリオス、キープ。(スコア:A. マレー 2-2 N. キリオス)
第5ゲーム
マレーのサービス。キリオスが1ブレイクポイントを獲得。
ラリーとなり、マレーがドロップショットを決める。マレーがセーブし、ジュースに持ち込む。
スライスの打ち合い、マレーがバックハンド・ショットで仕掛けるが、ボールはラインを越える。キリオスが再度のブレイクポイントを獲得。
マレーのライン際へのショットに対し、キリオスのリターンがネットに阻まれる。ゲーム3度目のジュース。マレーは「カモン!」と声を出す。
続いてもキリオスのショットがネットに阻まれ、マレーがアドバンテージを獲得。
マレーが第2サーブながらボディへの強力なサーブを決め、キリオスのリターンはネットへ。
マレー、キープ。(スコア:A. マレー 3-2 N. キリオス)
第6ゲーム
キリオスのサービス。キリオスのゲームポイントで、キリオスにダブルフォルト。マレーが1ブレイクポイントを獲得する。
キリオスのボレー、マレーは返すもボールはラインを越える。キリオスがセーブ、ジュースとなる。
キリオスが強力なサーブを決め、アドバンテージを獲得。
キリオスのバックハンド・ショットがラインを越え、再びジュース。
キリオス、強力なサーブを決めアドバンテージを獲得。
キリオスのダブルフォルトで、ゲーム3度目のジュース。
マレーのドロップショット、キリオスは返すが、マレーがロブ、キリオスは後ろを向きながら股抜きで返すが、ネット際にいたマレーがボレーを決める。マレーが再度のブレイクポイントを獲得。
キリオス、ワイドへの強力なサーブを決め、4度目のジュースに突入。
キリオスがエースを決め、アドバンテージを獲得。
キリオスのドロップショット、マレーは追いつき、角度あるショットでリターン、ウィナーとなる。
キリオスがセンターへのエースを決め、アドバンテージを獲得。
マレーがフォアハンドでウィナーを決め、6度目のジュース。
キリオスのダブルフォルトで、マレーが3度目のブレイクポイントを獲得。
キリオス、続いてもダブルフォルトとなる。
マレーがブレイクに成功。(スコア:A. マレー 4-2 N. キリオス)
第7ゲーム
マレー、ブレイク直後のサービスゲームをキープ。(スコア:A. マレー 5-2 N. キリオス)
第8ゲーム
キリオスのサービス。マレーが3ブレイクポイント(セットポイント)を獲得。
キリオスがワイドへのエースを決め、1ポイントをセーブ。
続いて、キリオスのサーブはダブルフォルトとなる。
マレーがダブル・ブレイクに成功。(スコア:A. マレー 6-2 N. キリオス)
第1セットをマレーが獲得、試合は第2セットへ。
Set 2
第1ゲーム
マレーのサーブで試合再開。キリオスが1ブレイクポイントを獲得。マレーは叫び声を上げる。
ラリーとなり、マレーのフォアハンド・ショットがラインを越える。
キリオスが試合再開早々のブレイクに成功。(スコア:A. マレー 0-1 N. キリオス)
キリオスはリードしていながら左右に首を振り、腑に落ちない様子をみせる。
第2ゲーム
キリオスのサービス。キリオスにダブルフォルト。マレーが2ブレイクポイントを獲得。
続いて、キリオスにダブルフォルト。
マレーが早々のブレイクバックに成功。(スコア:A. マレー 1-1 N. キリオス)
第3ゲーム
マレーのサービス。キリオスが1ブレイクポイントを獲得。
続いて、マレーのバックハンド・ショットがネットに阻まれる。
キリオスがブレイクに成功。(スコア:A. マレー 1-2 N. キリオス)
第4ゲーム
キリオス、ブレイク直後のサービスゲームをラブゲームでキープ。(スコア:A. マレー 1-3 N. キリオス)
第5ゲーム
マレー、キープ。マレーはゲームポイントでエースを決める。(スコア:A. マレー 2-3 N. キリオス)
第6ゲーム
キリオスのサービス。マレーが2ブレイクポイントを獲得。
キリオスがフォアハンドでライン際へのショット、マレーは追いかけるも、1ポイントをセーブ。
キリオスのドロップショット、マレーは追いつくがボールはネットに当たり、マレーのコートへ。キリオスが2ポイント目もセーブ、ジュースに持ち込む。
ラリーとなり、キリオスのバックハンド・ショットがラインを越える。マレーが再度のブレイクポイントを獲得。
キリオスが強力なサーブを決め、再びジュース。
キリオスがスマッシュを決め、アドバンテージを獲得。
両者ともにウィナー級のショットを連発するが、ラリーが続き、最後はキリオスがフォアハンド・ショットでウィナーを決める。
キリオスがサービスゲームをキープ。(スコア:A. マレー 2-4 N. キリオス)
第7ゲーム
マレー、ラブゲームでキープ。(スコア:A. マレー 3-4 N. キリオス)
第8ゲーム
キリオスのサービス。キリオスが2ゲームポイント
ネット際に出たマレー、キリオスのバックハンド・ショットがネットに阻まれる。
続いて、マレーがキリオスの足元へのショット、キリオスのフォアハンドでのリターンがラインを越える。
マレーがブレイクバックに成功。(スコア:A. マレー 4-4 N. キリオス)
第9ゲーム
マレー、キープ。(スコア:A. マレー 5-4 N. キリオス)
第10ゲーム
キリオス、キープ。(スコア:A. マレー 5-5 N. キリオス)
第11ゲーム
マレー、キープ。マレーはゲームポイントでセンターへのエースを決める。(スコア:A. マレー 6-5 N. キリオス)
第12ゲーム
キリオス、キープ。(スコア:A. マレー 6-6 N. キリオス)
第2セットは両者譲らず、タイブレイクに突入。
タイブレイク
マレー – キリオス 太字:ミニブレイク
0-1, 0-2 0-3, 1-3 2-3, 2-4 3-4, 4-4 4-5, 6-4 7-4
タイブレイクをキリオスが制し第2セットを獲得、試合は最終第3セットへ。
Set 3
第1ゲーム
キリオスのサーブで試合再開。キリオス、ラブゲームでキープ。
第2ゲーム
マレーのサービス。キリオスが1ブレイクポイントを獲得。
ラリーとなり、キリオスのフォアハンド・ショットがネットに阻まれる。マレーがセーブし、ジュースに突入。
マレーのショットがネットに阻まれ、キリオスが再度のブレイクポイントを獲得。
マレーがフォアハンドでウィナーを決め、再びジュース。
マレーがセンターへのエースを決め、アドバンテージを獲得。
マレーがネット際に出て攻勢、キリオスのフォアハンド・ショットはネットに阻まれる。
マレー、サービスゲームをキープ。
第3ゲーム
キリオス、キープ。
第4ゲーム
マレー、キープ。(スコア:A. マレー 2-2 N. キリオス)
第5ゲーム
キリオス、キープ。(スコア:A. マレー 2-3 N. キリオス)
第6ゲーム
マレーのサービス。ジュースとなり、マレーのサーブに対するキリオスのリターンがラインを越える。マレーがアドバンテージを獲得。
キリオスのショットはOUT の判定、主審がIN に訂正するが、マレーがチャレンジ。リプレイで確認され、ボールはライン上にIN、チャレンジ失敗。再びジュース。
マレーのダブルフォルトで、キリオスがブレイクポイントを獲得。
ネットプレーとなり、マレーがバックハンドでウィナーを決める。再びジュース。
キリオスのショットがラインを越え、マレーがアドバンテージを獲得。
続いて、マレーがセンターへの強力なサーブを決める。
マレーがサービスゲームをキープ。(スコア:A. マレー 3-3 N. キリオス)
ゲーム中、キリオスは左ひざ辺り、左腰(臀部)を気にする素振りを見せる。
第7ゲーム
キリオス、キープ。(スコア:A. マレー 3-4 N. キリオス)
第8ゲーム
マレー、ラブゲームでキープ。マレーはゲームポイントを含め、2連続でエースを決める。(スコア:A. マレー 4-4 N. キリオス)
第9ゲーム
キリオス、キープ。キリオスはスマッシュを打つためネット際に出る際、スキップをしながら移動。(スコア:A. マレー 4-5 N. キリオス)
第10ゲーム
マレーのサービス。キリオスが1ブレイクポイント(マッチポイント)を獲得。
ラリーとなり、キリオスがネット際へのドロップショット、マレーがつなぎ、その後ウィナーを決める。ジュースに突入。
キリオスがリターン・エースを決め、再びブレイクポイント(マッチポイント)を獲得。
キリオスのフォアハンド・ショットがネットに阻まれる。マレーがセーブし、再びジュース。
マレーが強力なサーブを決め、アドバンテージを獲得。
続いて、キリオスのフォアハンド・ショットがラインを越える。
マレー、サービスゲームをキープ。(スコア:A. マレー 5-5 N. キリオス)
第11ゲーム
キリオスのサービス。キリオスにダブルフォルト。マレーが1ブレイクポイントを獲得する。
キリオスがワイドへのエースを決めセーブ、ジュースに持ち込む。
マレーのフォアハンド・ショットがネットに阻まれ、キリオスがアドバンテージを獲得。
キリオス、センターへのエースを決める。
キリオスがゲームキープ。(スコア:A. マレー 5-6 N. キリオス)
第12ゲーム
マレーのサービス。キリオスが1ブレイクポイント(マッチポイント)を獲得。
続いて、マレーにダブルフォルト。
キリオスがブレイクに成功。(スコア:A. マレー 5-7 N. キリオス)
第3セットをキリオスが獲得、試合に勝利(キリオス – マレー:2-6 7-64 7-5)。2時間38分で試合終了。
ニック・キリオス(オーストラリア)がアンディ・マレー(イギリス)に初めて勝利。
「クイーンズクラブ選手権(ATP500)」(フィーバーツリー選手権)2018年第2回戦進出を決めた。
第2回戦では、ライアン・ハリソン(アメリカ)またはカイル・エドマンド(イギリス)と対戦する。
アンディ・マレー(イギリス)は、復帰戦勝利ならず、第1回戦で敗退となった。
Summary
A. マレー | 6-2 64-7 5-7 | N. キリオス |
16本 | エース | 18本 |
39 | ウィナー | 51 |
8 | ダブルフォルト | 11 |
26 | Unforced エラー | 42 |
56 % (67/119) |
第1サーブ 率 | 60 % (66/110) |
76 % (51/67) |
第1サーブ ポイント 獲得率 |
83 % (55/66) |
40 % (21/52) |
第2サーブ ポイント 獲得率 |
32 % (14/44) |
36 % (4/11) |
ブレイクポイント 成功率 |
27 % (3/11) |
37 % (41/110) |
リターンポイント 成功率 |
39 % (47/119) |
113 | ポイント獲得合計 | 116 |
フェデラー vs. キリオス シュツットガルト大会準決勝詳細