2017年初のグランドスラム(4大大会)「全豪オープン」が2017年1月16日~29日にかけて開催された。
トップ選手たちの最高のスーパープレイと、多くのドラマを提供してくれた「全豪オープン」2017年を、前編(第1回戦~ベスト16)、後編(準々決勝~決勝)に分けて、動画とともに振り返る。
前編(第1回戦~ベスト16)では、優勝候補とされていたアンディ・マレー(イギリス)、全豪オープンの最多優勝記録を保持するノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、それぞれ第4回戦(ベスト16)、第2回戦での敗退となり、波乱の展開となった。
日本の錦織圭は、第4回戦(ベスト16)でキング、ロジャー・フェデラー(スイス)に敗れ、3年連続のベスト8 進出を逃した。
第1回戦(R128):フェデラー復帰戦、錦織圭フルセットで勝利
開幕初日、トーナメント表(ドロー)トップハーフの試合が行われた。観客を驚かせたのは、トップ選手たちの苦戦。
初日はシード20番までの選手の試合は10 試合行われたが、そのうち3 セットのストレート勝ちを収めたのは、アンディ・マレー、ニック・キリオス(オーストラリア)のわずかに2名。
当時世界ランク4位のスタン・ワウリンカ(スイス)、同5位の錦織圭(日本)、同7位マリン・チリッチ(クロアチア)の初戦は、フルセット、3時間を超える戦いとなった。
スタン・ワウリンカ(スイス)vs. マルティン・クーリザン(スロバキア)
スタン・ワウリンカは、マルティン・クーリザン(スロバキア)と対戦し、3時間27分、フルセットの末に勝利。第5セット第10ゲームでスタン・ワウリンカが再度ブレイク。最後の数分まで勝負はつかず、ドラマチックな展開となった。
【動画】スタン・ワウリンカ(スイス)vs. マルティン・クーリザン(スロバキア)
錦織圭(日本) vs. アンドレイ・クズネツォフ(ロシア)
錦織圭は、アンドレイ・クズネツォフ(ロシア)と対戦し、第1セットを奪われるというスタートとなり、第4セットではタイブレイクでセットを失うも、フルセットで勝利。試合時間3時間34分の激闘となった。
【動画】錦織圭(日本) vs. アンドレイ・クズネツォフ(ロシア)
ロジャー・フェデラー(スイス) vs. ユルゲン・メルツァー(オーストリア)
怪我からの復帰戦となったロジャー・フェデラー(スイス)は、予選通過者ユルゲン・メルツァー(オーストリア)に勝利した。
【動画】ロジャー・フェデラー(スイス) vs. ユルゲン・メルツァー(オーストリア)
第2日目は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)などトーナメント表(ドロー)ボトムハーフの試合が行われた。
前日のトップハーフの試合とは対照的に、ノバク・ジョコビッチはじめトップ選手たちが快勝した。
第2日目も、シード20番目までの選手の試合が10試合行われたが、ノバク・ジョコビッチ、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、ガエル・モンフィス(フランス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、リシャール・ガスケ(フランス)の7選手がストレート勝ちを収めた。
第2回戦(R64):ジョコビッチ、チリッチ、キリオスの敗退
第2回戦では、世界ランキング2位、前回全豪オープン優勝者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)がまさかの敗退。衝撃が走った。
その他、当時世界ランキング第7位のマリン・チリッチ(クロアチア)、同13位ニック・キリオス(オーストラリア)、同19位ジョン・イズナー(アメリカ)が敗戦となった。
第1回戦では結果的には世界ランキング上位の選手のほとんど勝利したが、第2回戦は明暗が分かれる形となった。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア) vs. デニス・イストミン(ウズベキスタン)
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の対戦相手は、ワイルドカードでの出場の世界ランキング117位、デニス・イストミン(ウズベキスタン)。デニス・イストミンが4時間48分のフルセットを制した。
【動画】ノバク・ジョコビッチ(セルビア) vs. デニス・イストミン(ウズベキスタン)
マリン・チリッチ(クロアチア) vs. ダニエル・エヴァンス(イギリス)
マリン・チリッチ(クロアチア)は、ダニエル・エヴァンス(イギリス)と対戦し敗北。
得意のエースは14本。ブレイクポイントを19回獲得するも、成功したのは3回のみ。Unforced エラーは69回と、好調とは言い難い結果となった。
【動画】マリン・チリッチ(クロアチア) vs. ダニエル・エヴァンス(イギリス)
ニック・キリオス(オーストラリア)vs. アンドレアス・セッピ(イタリア)
ニック・キリオス(オーストラリア)は、アンドレアス・セッピ(イタリア)と対戦し敗北。
第1セットを6-1で獲得し順調なスタートを切り、第2セットはタイブレイクとなるもタイブレイクスコア 7-1 でセット獲得したが、続くセットでエラーを連発、フルセットで敗れた。
【動画】ニック・キリオス(オーストラリア)vs. アンドレアス・セッピ(イタリア)
第19シードのジョン・イズナー(アメリカ)は、33本のエースを決めるも、ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)にフルセット、試合時間4時間10分にわたる接戦の末、敗退した。
ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)はこの後、第4回戦(ベスト16)で世界ランキング1位アンディ・マレー(イギリス)に勝利する。
第3回戦(R32):錦織圭ストレート勝ち、フェデラーはベルディヒに勝利、ナダルはA. ズベレフに苦戦
スタン・ワウリンカ(スイス)vs. ビクトル・トロイツキ(セルビア)
当時世界ランキング4位のスタン・ワウリンカ(スイス)は第29シードのビクトル・トロイツキ(セルビア)と対戦。
ビクトル・トロイツキが第1セットを先取するも、続く第2・3セットをスタン・ワウリンカが獲得、第4セットでタイブレイクの末、スタン・ワウリンカが勝利した。
【動画】スタン・ワウリンカ(スイス)vs. ビクトル・トロイツキ(セルビア)
錦織圭(日本) vs. ルカシュ・ラコ(スロバキア)
日本の錦織圭は、予選突破者のルカシュ・ラコ(スロバキア)と対戦。錦織圭が46本のウィナーを放ち、ストレート勝ちの快勝を収めた。
【動画】錦織圭(日本) vs. ルカシュ・ラコ(スロバキア)
ロジャー・フェデラー(スイス) vs. トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)
ロジャー・フェデラー(スイス)はトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)と対戦し、ストレート勝ち。強豪トマーシュ・ベルディヒに対し1度のブレイクポイントも許さず、試合時間わずか1時間30分で勝利を収めた。
【動画】ロジャー・フェデラー(スイス) vs. トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)
ラファエル・ナダル(スペイン) vs. アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)
ラファエル・ナダル(スペイン)は、第3回戦で若干19才、期待の若手アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)と対戦し、フルセットで苦戦の末に勝利した。
アレクサンダー・ズべレフは、時速200 km を超えるサーブを連発。
第1セットをアレクサンダー・ズべレフが奪い、第2セットはラファエル・ナダルが制するも、第3セットはタイブレイクでアレクサンダー・ズベレフが獲得、2セット先取と試合をリード。
試合時間が3時間を超えたあたりから、アレクサンダー・ズベレフに疲れが見え始めるが、エースは増え、その衰えを知らない。
先にブレイクに成功したラファエル・ナダルが第4・5セットを獲得し、4時間5分の接戦の末、勝利を収めた。
【動画】ラファエル・ナダル(スペイン) vs. アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)
グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア) vs. リシャール・ガスケ(フランス)
第3回戦の注目カード、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)対 リシャール・ガスケ(フランス)戦は、グリゴール・ディミトロフが勝利。
第1セットはリシャール・ガスケが先にブレイクに成功するが、グリゴール・ディミトロフが早々にブレイクバック、第1セットをグリゴール・ディミトロフが獲得。グリゴール・ディミトロフはその後もセットを獲得し、ストレート勝ちで勝利を収めた。
【動画】グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア) vs. リシャール・ガスケ(フランス)
第4回戦(ベスト16):マレー、錦織圭の敗退
第4回戦(ベスト16)では、第2回戦でのノバク・ジョコビッチ(セルビア)敗退に続き、世界ランキング1位のアンディ・マレー(イギリス)がまさかの敗退となった。
日本の錦織圭も、ロジャー・フェデラー(スイス)に敗北。ベスト16で全豪オープンを去ることになった。
アンディ・マレー(イギリス) vs. ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)
アンディ・マレー(イギリス)の対戦相手は、世界ランキング50位のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)であった。
第1セット、アンディ・マレーが先にブレイクするも、ミーシャ・ズベレフが早々にブレイクバック。その後もブレイク、ブレイクバックと続き、第11ゲームでミーシャ・ズベレフが3度目のブレイクに成功、続く第12ゲームをキープし、第1セットを獲得。
第2セットはアンディ・マレーが7-5 で獲得するも、第3セットはミーシャ・ズベレフに2度のブレイクを許し、アンディ・マレーは2-6 でセットを失う。
第4セット、第1ゲームで早々にミーシャ・ズベレフがブレイク、アンディ・マレーに1度のブレイクポイントも与えず、セットを獲得。3時間33分で試合終了。
世界ランキング1位のアンディ・マレーは、全豪オープン初優勝を逃し、ベスト16で敗退となった。
【動画】アンディ・マレー(イギリス) vs. ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)
錦織圭(日本) vs. ロジャー・フェデラー(スイス)
錦織圭(日本)とロジャー・フェデラー(スイス)、第4回戦(ベスト16)注目の対戦は、フルセットの末にロジャー・フェデラーが勝利。
第1セット第1ゲームで錦織圭がいきなりブレイクに成功、その後も再度のブレイクでリードするも、第8ゲーム、錦織圭のサービス for the セットでロジャー・フェデラーが1度目のブレイクバックに成功。ロジャー・フェデラーが再度ブレイクバックし、タイブレイクに突入する。タイブレイクは錦織圭が制し、第1セットを獲得する。
しかし、第2セットをロジャー・フェデラーが獲得、第3セットではロジャー・フェデラーが2度のブレイク、錦織圭2-6 ロジャー・フェデラーで第3セットもロジャー・フェデラーが獲得。
続く第4セットは錦織圭が先にブレイクし、サービス for the セットをラブゲームでキープ。錦織圭がセットを獲得する。
最終セットは第2ゲームでロジャー・フェデラーがブレイクに成功。ロジャー・フェデラーは最終セットでは錦織圭に1度のブレイクチャンスも許さず、試合に勝利した。
【動画】錦織圭(日本) vs. ロジャー・フェデラー(スイス)
ガエル・モンフィス(フランス) vs. ラファエル・ナダル(スペイン)
当時世界ランキング6位のガエル・モンフィス(フランス)と同9位ラファエル・ナダル(スペイン)の試合は、ラファエル・ナダルが勝利。
第1・2セットを続けてラファエル・ナダルが獲得するも、第3セットをガエル・モンフィスが獲得。
第4セットでもガエル・モンフィスが先にブレイクに成功するが、試合後半でラファエル・ナダルがブレイクバック、第10ゲームでラファエル・ナダルがブレイクに成功し、試合に勝利した。
【動画】ガエル・モンフィス(フランス) vs. ラファエル・ナダル(スペイン)
全豪オープン2017年結果を反映、ATP世界ランキング
「全豪オープン」2017年トーナメント表(ドロー)
トップ選手 2017年2月の大会出場予定