ATP世界ランキング 2019年履歴(続き)
2019年8月26日
2019年8月18日~24日は、ATP250 の大会、「ウィンストンセーラム・オープン(ATP250)」が開催された。
「ウィンストンセーラム・オープン(ATP250)」で優勝を果たしたのは、フベルト・フルカチ(ポーランド)!
フベルト・フルカチ(ポーランド)は、大会でキャリア初の決勝に進出。見事、初めての優勝を獲得した。
なお、ポーランド人選手のツアー優勝は、1982年以来、37年振りの快挙となった。
フベルト・フルカチ(ポーランド)は、準々決勝でフランシス・ティアフォー(アメリカ)に、準決勝ではデニス・シャポバロフ(カナダ)を下し決勝に進出。
決勝戦では大会第1シードのブノワ・ペール(フランス)と対戦、フルセットの接戦の末に勝利した。
22才、新たな若手スターの誕生。引き続きの活躍が期待される。
フベルト・フルカチ(ポーランド)の世界ランキングは、世界41位から世界35位へと上昇。堂々の自己ベスト更新を達成した。
準優勝のブノワ・ペール(フランス)は、世界30位から世界26位へとランクを上げた。
大会準決勝に進出したのは、デニス・シャポバロフ(カナダ)とスティーブ・ジョンソン(アメリカ)。
デニス・シャポバロフ(カナダ)のランキングは、世界38位から世界33位にランクアップ。
スティーブ・ジョンソン(アメリカ)は、昨年準優勝のポイントが剥落し、世界82位から世界86位となった。
その他、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)が前週のシンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」に続き好調なプレーを披露。
大会準々決勝に進出したが、同世代のライバルデニス・シャポバロフ(カナダ)に敗戦を喫した。
アンドレイ・ルブレフ(ロシア)のランキングは、世界47位から世界43位へと上昇した。
そして、同じく期待の若手フランシス・ティアフォー(アメリカ)も準々決勝に進出。
ランキングを、世界52位から世界45位に上昇させた。
「ウィンストンセーラム・オープン(ATP250)」では、聴覚障害を持つイ・ダクヒ(韓国)がATPツアーにデビュー。第1回戦に勝利し、ツアー初勝利も手にした。
イ・ダクヒ(韓国)は、1998年生まれの21才。
生まれながらの聴覚障害を持ち、音は聞こえないが、振動を感じ取りプレーをする。ATP では初の聴覚障害を持つ選手である。
身長は175 cm と高くないが、10代のジュニア大会では10回の優勝を収めている。
イ・ダクヒ(韓国)は大会のインタビューに応じ、「テニスを目指す僕を人はバカにした。」「非常に困難な道のりだった。だけど、僕は、誰にだってできるんだと示したかった。」「同じ聴覚障害者に”諦めないで(not be discouraged)”と伝えたい。努力すれば、何でもできる(If you try hard, you can do anything.)」と語った。
ワイルドカードではなく実力でのATPツアー・デビュー、さらに初の勝利を収め、歴史にその名を刻んだ。
デビュー戦であった第1回戦に勝利するが、第2回戦では、後の優勝者フベルト・フルカチ(ポーランド)と対戦し、敗退となった。
イ・ダクヒ(韓国)のランキングは、世界212位から世界208位に上昇した。
2019年8月26日付世界ランキングも、世界1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、世界2位ラファエル・ナダル(スペイン)、世界3位ロジャー・フェデラー(スイス)は変更なし。
錦織圭(日本)も、世界7位をキープした。
2019年8月19日
2019年8月11日~18日は、ATPワールドツアー・マスターズ1000 の大会、シンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」が開催された。
大会には、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)、アンディ・マレー(イギリス)、錦織圭(日本)など多くのトップ選手が出場。
そして、シンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」で優勝を果たしたのは、ダニール・メドベデフ(ロシア)!
ダニール・メドベデフ(ロシア)は、ワシントンDC「シティ・オープン(ATP500)」、モントリオール「ロジャーズ・カップ(ATP1000)」に続き、3大会連続で決勝戦に進出。
シンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」で遂に優勝を果たし、自身初のATPワールドツアー・マスターズ1000 タイトルを獲得した。
シンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」では、準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)にも勝利。
試合中に右の肩から腕にかけて治療を受けるなどコンディションが心配されたが、決勝戦でもダビド・ゴファン(ベルギー)に堂々の勝利。
新たなマスターズ優勝者が誕生した。
ダニール・メドベデフ(ロシア)の世界ランキングは、世界8位から世界5位へと上昇。3週連続で自己ベストを更新し、初のトップ5 に躍り出た。
大会準優勝のダビド・ゴファン(ベルギー)は、世界19位から世界15位へと上昇した。
ダビド・ゴファン(ベルギー)は、大会で自身初のATPワールドツアー・マスターズ1000 決勝戦進出を果たした。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、世界1位の座をキープした。
また、大会準々決勝に進出したロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)が世界11位から世界10位に上昇。自己ベストを更新し、自身初のトップ10 入りを果たした。
ロジャー・フェデラー(スイス)は、第3回戦(ベスト16)でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と対戦し敗退。
アンドレイ・ルブレフ(ロシア)は、大会に予選を突破し出場。
第2回戦でスタン・ワウリンカ(スイス)に勝利、第3回戦(ベスト16)でロジャー・フェデラー(スイス)に勝利し、大活躍で魅了した。
同世代の同胞ダニール・メドベデフ(ロシア)、カレン・カチャノフ(ロシア)などが活躍する中、怪我のためランクを落としていたアンドレイ・ルブレフ(ロシア)。
大会で最高のプレーを披露し、復活を印象付けた。
アンドレイ・ルブレフ(ロシア)のランキングは、世界70位から世界47位に上昇した。
ロジャー・フェデラー(スイス)は、世界3位をキープした。
そして、アンディ・マレー(イギリス)がシンシナティ「ウェスタン&サザン・オープン(ATP1000)」でシングルスに復帰!
復帰戦の第1回戦はリシャール・ガスケ(フランス)と対戦。友人のニック・キリオス(オーストラリア)やフェリシアーノ・ロペス(スペイン)が見守る中開催された。結果は、リシャール・ガスケ(フランス)のストレート勝ちとなった。
復帰戦勝利とはならなかったが、待望のアンディ・マレー(イギリス)のシングルスへの復帰が実現。
アンディ・マレー(イギリス)は、さらにその後も「ウィンストンセーラム・オープン(ATP250)」、他の大会への出場を決めるなど、本格的な復帰を予定している。
リシャール・ガスケ(フランス)は、その後大会準決勝に進出。ランキングは、世界56位から世界34位に上昇した。
アンディ・マレー(イギリス)のランキングは、世界324位から世界329位となった。
西岡良仁(日本)は、予選を突破し本選に出場。
そして第2回戦で錦織圭(日本)との日本人選手対決が実現、西岡良仁(日本)が錦織圭(日本)に勝利した。
西岡良仁(日本)は、第1回戦にフルセットの末勝利を収めた後、錦織圭(日本)と対戦するためどうしても勝利し第2回戦に進出したかったと語っていた。
錦織圭(日本)は、試合中に錠剤と点鼻薬の処方を受けるなど、体調が芳しくない状況でプレーに精細を欠き、西岡良仁(日本)が終始試合をリード。両者のツアー初対戦は、西岡良仁(日本)のストレート勝利となった。
その後も西岡良仁(日本)は好調なプレーを続け、自身初のATPワールドツアー・マスターズ1000 準々決勝にまで進出した。
しかし、準々決勝には食あたりのため棄権、無念の不戦敗となった。
西岡良仁(日本)のランキングは、世界77位から世界59位に上昇した。
錦織圭(日本)は、世界5位から世界7位となった。
2019年8月19日付世界ランキングも、世界1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、世界2位ラファエル・ナダル(スペイン)、世界3位ロジャー・フェデラー(スイス)は変更がなかった。
2019年8月12日
2019年8月5日~11日は、ATPワールドツアー・マスターズ1000 の大会、モントリオール「ロジャーズ・カップ(ATP1000)」が開催された。
モントリオール「ロジャーズ・カップ(ATP1000)」を制したのは、ラファエル・ナダル(スペイン)!
ラファエル・ナダル(スペイン)は、昨年トロントで開催された同大会に続き、大会連覇を達成。
ATPワールドツアー・マスターズ1000 の最多優勝記録を35回に更新。ツアーではキャリア83回、2019年シーズンは3度目の優勝を飾った。
決勝戦では、ダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦し、ストレート勝利。
第2セットはベーグル(6-0)で獲得、完全勝利を収め、再度のトロフィーを掲げた。
ラファエル・ナダル(スペイン)の世界ランキングは、世界2位をキープ。
後に控えるグランドスラム「全豪オープン」においても、引き続きの活躍が期待される。
ダニール・メドベデフ(ロシア)は、前週のワシントンDC「シティ・オープン(ATP500)」に続き、準優勝を獲得。
ATPワールドツアー・マスターズ1000 では、初めて決勝の舞台に進出した。
好調なパフォーマンスを披露したダニール・メドベデフ(ロシア)、準々決勝ではドミニク・ティーム(オーストリア)にもストレートで勝利、準決勝ではカレン・カチャノフ(ロシア)との同胞ライバル対決も制した。
ダニール・メドベデフ(ロシア)のランキングは、世界9位から世界8位へと上昇。前週に続き、自己ベストの更新を達成した。
カレン・カチャノフ(ロシア)は、世界8位から世界9位となった。
ガエル・モンフィス(フランス)は、準々決勝でロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)との接戦に勝利。準決勝に進出するが、足首の怪我のため、準決勝を棄権した。
ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)との準々決勝は雨のため延期され、同日に準々決勝、準決勝を戦うという厳しいスケジュールとなっていた。
ガエル・モンフィス(フランス)のランキングは、世界20位から世界15位に上昇。怪我からの回復が待ち望まれる。
ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)は、準々決勝進出により、世界13位から世界11位へとランクアップ。2016年以来となる、自己ベスト更新を達成した。
ファビオ・フォニーニ(イタリア)は、大会準々決勝に進出。準々決勝ではラファエル・ナダル(スペイン)から第1セットを奪うが逆転での敗戦を喫した。
ランキングでは、ファビオ・フォニーニ(イタリア)は世界11位から世界10位に上昇。トップ10 に返り咲いた。
なお、ファビオ・フォニーニ(イタリア)は手術を控えており、ラファエル・ナダル(スペイン)と試合後に言葉を交わしていた。
ラファエル・ナダル(スペイン)は、同様の手術を受けており、自身の経験を伝えたと語っている。
その他、ステファノス・チチパス(ギリシャ)は、初戦であった第2回戦でまさかの敗退。
昨年準優勝のポイントが剥落し、世界5位から世界7位へと順位を下げた。
これにより、錦織圭(日本)が世界6位から世界5位に浮上した。
錦織圭(日本)も、初戦の第2回戦でリシャール・ガスケ(フランス)にフルセットの末敗戦を喫していた。
また、準々決勝に進出したアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)は、世界7位から世界6位に上昇した。
2019年8月12日付世界ランキングも、世界1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、世界2位ラファエル・ナダル(スペイン)、世界3位ロジャー・フェデラー(スイス)は変更がなかった。
2019年8月5日
2019年7月29日~8月4日は、ATP500 の1大会とATP250 の2大会が開催された。
- ワシントンDC「シティ・オープン(ATP500)」:チチパス、アンダーソン、チリッチ、ラオニッチ、西岡良仁他出場
- ロス カボス「アビエルト・メキシカーノ・ロス カボス(ATP250)」:フォニーニ、シュワルツマン、プイユ、ダニエル太郎他出場
- キッツビューエル「ゼネラリ・オープン(ATP250)」:ティーム、ラヨビッチ、ベルダスコ、ガスケ他出場
ワシントンDC「シティ・オープン(ATP500)」で優勝を果たしたのは、ニック・キリオス(オーストラリア)!
ニック・キリオス(オーストラリア)は、2019年、アカプルコ「アビエルト・メキシカーノ・テルセル(ATP500)」に続きATP500 で2度目の優勝。ツアーではキャリア6回目の優勝を飾った。
“Undream サーブ” と称される最高のサーブ、さらに持前の多才なプレーで魅了。準決勝では大会第1シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)と熱戦を繰り広げ、フルセットの末に勝利を収めた。
そして、決勝戦ではダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦。次世代テニスを彷彿させる大会となった。
ニック・キリオス(オーストラリア)の世界ランキングは、世界52位から世界27位へ大きく上昇。本格化するハードコート・シーズン、引き続きの活躍が期待される。
ワシントンDC「シティ・オープン(ATP500)」準優勝を獲得したダニール・メドベデフ(ロシア)は、自己ベストである世界9位をキープした。
ダニール・メドベデフ(ロシア)は、準決勝まで1セットも失うことなく全てストレートで勝利し決勝に進出。準々決勝では、マリン・チリッチ(クロアチア)も敗退に追い込んだ。
大会準決勝に進出したのは、ステファノス・チチパス(ギリシャ)とペーター・ゴヨブチック(ドイツ)。
ステファノス・チチパス(ギリシャ)は、第1シードとして出場し、順調に駒を進めるが、準決勝で前述の通りニック・キリオス(オーストラリア)にフルセットの末敗退した。
なお、ステファノス・チチパス(ギリシャ)とニック・キリオス(オーストラリア)は、大会でペアを組みダブルスにも出場していた(第1回戦で敗退)。
ペーター・ゴヨブチック(ドイツ)は、予選で敗退するも、ラッキールーザーとして本選に出場。第1回戦でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に勝利、第2回戦でアレックス・デ ミノール(オーストラリア)、第3回戦でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、準々決勝ではカイル・エドマンド(イギリス)にも勝利を果たし、大活躍で魅了した。
準決勝では、ダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦し敗戦を喫した。
世界ランキングでは、ステファノス・チチパス(ギリシャ)が世界6位から世界5位に上昇。自己ベストの更新を達成、初のトップ5 入りを果たした。
ペーター・ゴヨブチック(ドイツ)は、世界122位から世界85位に上昇した。
昨年、一昨年と大会連覇を果たしていたアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)は、2019年は出場を見送り。昨年優勝のポイントが剥落し、世界ランキング5位から世界7位へと順位を下げた。
これにより、錦織圭(日本)は世界7位から世界6位に上昇した。
ロス カボス「アビエルト・メキシカーノ・ロス カボス(ATP250)」の優勝は、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)!
ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)は、大会に第3シードとして出場。準決勝では、同胞で友人のギド・ペラ(アルゼンチン)と対戦し、フルセットの接戦を制した。
なお、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)とギド・ペラ(アルゼンチン)も、大会にダブルスでペアを組み出場していた(第2回戦敗退)。
ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)は、ツアー3度目の優勝を獲得。過去2回はいずれもクレーコート大会であり、ハードコートでは初めての優勝となった。
ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)のランキングは、世界27位から世界23位へと上昇した。
大会準優勝は、テイラー・フリッツ(アメリカ)。
テイラー・フリッツ(アメリカ)は、前週のアトランタ「BB&T アトランタ・オープン(ATP250)」に続き、準優勝を獲得。
タイトルの獲得は逃したものの、準々決勝では昨年大会優勝のファビオ・フォニーニ(イタリア)にもストレートで勝利を収めるなど、好調なプレーを披露した。
テイラー・フリッツ(アメリカ)のランキングは、世界28位から世界25位へと上昇。前週に続き、連続での自己ベスト更新を達成した。
ファビオ・フォニーニ(イタリア)は、昨年優勝のポイントが剥落し、世界9位から世界11位へとランクを下げた。
ギド・ペラ(アルゼンチン)は、世界24位をキープした。
そして、キッツビューエル「ゼネラリ・オープン(ATP250)」で優勝を果たしたのは、ドミニク・ティーム(オーストリア)!
クレープリンスドミニク・ティーム(オーストリア)が、2019年シーズン最後のクレーコート大会を優勝で締めくくった。
ドミニク・ティーム(オーストリア)の2019年優勝は3度目、キャリア通算14回目、地元オーストラリアの大会では初めてのタイトル獲得となった。
決勝戦では、絶好調のアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)と対戦。
ドミニク・ティーム(オーストリア)は、第1セットのタイブレイクを制すると、第2セットを6-1で獲得、ストレートで勝利を収めた。
そして、大会を通じ1セットも失くことなく、堂々のタイトルを手にした。
ドミニク・ティーム(オーストリア)のランキングは、自己ベストである世界4位を維持。
準優勝のアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)は、世界69位から世界52位へと上昇した。
2019年8月5日付世界ランキングも、世界1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、世界2位ラファエル・ナダル(スペイン)、世界3位ロジャー・フェデラー(スイス)は変更がなかった。